日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク * 活動報告

● 6・19 紛争下の性暴力根絶のための国際デー 今も続く沖縄の戦時性暴力 〜だから米軍も自衛隊もいらんねん!〜




日  時 : 2024年6月1日(土) 14:00〜
会  場 : ドーンセンター 特別会議室

【報告】


6・19紛争下の性暴力根絶のための国際デーにあたり、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の宮城(みやぎ)晴美(はるみ)さんに〈沖縄女性の終わらない“戦争” いまなお続く戦時性暴力〉というテーマで話していただきました。

沖縄からオンラインとなりました。
参加者56人の皆さんと共にお聞きしました。


講師:宮城さん

1944年3月、沖縄に第32軍司令部が設置された後、多くの日本軍が上陸すると、レイプ事件が多発。将兵たちは辻遊郭に押し寄せ暴力事件を起こし、遊郭の廃業が相次ぎました。
沖縄各地につくられた「慰安所」で、朝鮮から連れてこられた女性たちが「慰安婦」にさせられ、日本軍と共に戦場へ連れて来られた被害女性の数など、今も不明のままです。



写真「慰安所」 宮城さんの資料より

1945年3月、米軍が上陸すると日本軍の駐留した座間味島などでは「集団自決(集団強制死)」がおこり、住民は米軍と日本軍が怖くなりました。
米軍は、けが人看護の一方、場所、年齢、時間を問わず女性を襲い1945年は収容所の多い北部でのレイプが多発、その後も米軍の移動にともない性暴力被害が、拡大。
被害女性たちは、夫や世間への対応、働く店がオフ・リミッツ(立入禁止)になれば食べてゆけない怖れで被害をありのままに言えない苦痛を心身に負いました。

1950年7月、沖縄群島保健所条例の公布は、朝鮮戦争の勃発で沖縄に集結する米兵の性病対策が目的でした。
ベトナム戦争時、性犯罪は凶悪化(強姦して絞殺など)。軍隊内の人種差別、女性蔑視、訓練のストレス、貧困徴兵制など構造的暴力の問題を指摘。

そして沖縄はどうかと、宮城さんは話されました。
メディアの小さな記事で被害は、あいまいに表現され、全国紙も同じ。生後9ヶ月の乳児、6歳の幼女たちまで性暴力被害にあいながら、被害者側に原因があるような報道。戦前からの家父長制のもとで、レイプされた女性は、家族、集落の恥のようにみなされました。
1995年9月、12歳の少女に対する3人の米兵による性暴力事件を機に「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」を結成。女性の人権の視点から基地の問題を問い続けています。



写真「涙の抗議」 宮城さんの資料より

米軍犯罪に対して復帰後も日本は「重要と考えられる事案以外、第一次の裁判権を放棄する」密約があり(1953年非公開の議事録)米兵犯罪は83%が不起訴。
日米地位協定、日米同盟による最大の暴力で、性暴力事件の8割は不逮捕。沖縄女性の終わらない“戦争” は、日本全体の問題です。
宮城さんは自衛隊配備、基地強化がすすめられる今、みなさんが声をあげてくださいと話しを終えられました。

関西ネットからは、
日本の主権免除を認めないソウル高裁判決は中国山西省の遺族18人の提訴につながっていると報告。
日本政府のドイツ少女像の撤去圧力に、ベルリン・コリア協議会は「平和の少女像は、沈黙を破り人権活動家になった女性たちの勇気を称えるものだ」と駐韓ドイツ大使によびかけていることなどを報告しました。

2024年06月01日(土) No.209 (報告)

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