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第147回 大阪駅前水曜集会






日  時 : 2018年11月7日(水) 19:00〜
会  場 : ヨドバシ梅田前

【報告】


第147回目となる大阪駅前水曜集会はいつものように「水曜デモの歌」でスタートしました。

関西ネットからはサンフランシスコ「慰安婦」メモリアル碑をめぐる吉村市長の姉妹都市解消に至る経過と、10月12日の抗議申し入れおよび市役所前抗議行動について報告しました。
公開書簡を送りつけ、期限までに返事がないとして姉妹都市解消通知を送りつけるという恥ずかしい行為に対して、ブリード市長からは「市民の間に60年間続いた姉妹都市関係を一方的に断つことはできない」と力強い反論がありました。




さらに、11月25日「国連女性に対する暴力撤廃デー」を前にして、DVやセクハラ、性搾取反対行動の必要性や「慰安婦」問題をはじめとする今も続く戦場での性暴力についてふれ、加害者は特別な人ではなく、私たちの身近な人たちが加害者になっていること、私たちは「慰安婦」問題の解決を訴えると同時に日常に起こっている性暴力など、身近な人の性の尊重や、自分自身の性をちゃんと尊重できているか、考えてみて欲しいと問いかけがありました。

最後に11月23日開催の安世鴻さんの講演集会への参加を呼びかけました。

続いて恒例の「パウィチョロム(岩のように)」は十数名の“ダンサーズ”がズラ〜っと並んで、うれしい盛り上がりでした!




次に関西ネットからのアピールでは「伊藤詩織さん」とハルモニとの出会いと、性暴力、セクハラについて話されました。詩織さんの訴えに女性記者が#Me Tooの声をあげましたが、加害者である山口や福田はいまだ謝罪はしていません。被害者が訴えても罪を問うどころか、加害を認識できない加害者と、加害者を擁護する発言が二次被害を与え、犯罪が繰り返される現実を指摘。こうした状況が「慰安婦」問題がいまだ解決できない土壌にもなっていることが訴えられました。さらに戦時性暴力問題がノーベル平和賞を受賞しましたが、政府やメディアには戦時性暴力の当事者としての自覚がないことがコメントや報道に表れていたことを指摘しました。
#Me Tooの声を受け止める感性を持つことと、それを支える#With YOUの声を出していこうと訴えられました。

続いて沖縄新基地建設反対の闘いについて、この間継続的に沖縄を訪れ、沖縄の仲間と共に基地反対闘争を闘ってきたMさんから臨場感あふれる報告がありました。翁長知事の「辺野古に基地はつくらせない」という命がけの闘いを引き継ぎ、知事選を勝利した玉城デニー知事のもと、「平和で豊かな非武装の島」実現のための闘いが始まっていることが報告されました。





安倍政権は知事との会談後直ちに「埋め立て承認撤回」の執行停止を申し渡して工事再開という暴挙に出ており、住民の抵抗と座り込み闘争は続いています。今こそ、沖縄の声・民意を、日本政府と日本の民衆はしっかり受け止めなければいけない時だと力強く訴えました。

「どうってことないよ。400年闘ってきているんだから〜」、おばあのことばが胸を突きます。

合わせて、韓国徴用工裁判判決について、日本政府・メディアが連日批判していることに対して、日韓条約の請求権放棄という国家間合意は個人請求権を放棄したものではない、日本の国会でも明確に否定されていると指摘、そもそも日韓条約は侵略・植民地支配を認めておらず、戦後の日本社会をも歪めてきたと批判しました。最後に、今こそ、沖縄・朝鮮半島・東アジアの人々と共に生きる社会を目指しましょうと呼びかけました。

若者アピールでマイクを握った留学同大阪メンバーも韓国徴用工裁判判決にふれ、日本政府の連日の抗議に国家が個人の請求権を廃棄できるのか疑問を投げかけました。




10月30日の東京高校無償化裁判判決においても朝鮮学校が「不当な支配」を受けているという、本来なら行政の支配などに使う用語を私的な場合に引用するなど、政府の「適用除外」の意を汲んだ結論ありきの判決だったこと、沖縄の状況も含め、もはや日本における法の支配は形骸化しており、三権分立はあるのか問われる状況だと批判。ふたつの判決からあらためて法とは何か、司法とはなにかを問い直す議論の機会にし、今後も本来あるべき判決を引き出すために力をあわせて頑張りたいと決意を語りました。

続いて司会より、前回10月の水曜集会で集めた城北朝鮮初級学校台風被害カンパに対する同行校長先生からのお礼状が紹介されました。

コールタイムでは、10月26日亡くなられたハ・ジョムヨン ハルモの訃報を伝えながら、今私たちに何ができるだろうか、参加者に問いかけました。

全員でのコールに続いて、1分間の平和の「歓声」をあげて終了しました。



11.25女性に対する暴力撤廃国際デー
「ここで生きてきた」 アジアの日本軍性奴隷サバイバーたち
〜 お話 安世鴻さん






日  時 : 2018年11月23日(水) 18:45〜
会  場 : ドーンセンター

11月25日は女性への暴力撤廃国際デーです。
今年のノーベル平和賞は、戦時性暴力問題に関わってきたコンゴのデニ・ムクウェゲ医師と イラクのヤジディー教徒でサバイバーのナディア・ムラドさんでした。
世界で今も続く戦時性暴力問題に光があたりましたが、ムラドさんは正義をもとめて声をあげ続けると その厳しい闘いへの決意を述べています。
日本軍「慰安婦」サバイバーたちは27年間その闘いの先頭に立ってきました。
しかし、加害国日本ではその歴史の事実を否定する動きが広がっており、 その記録や継承の必要性が問われています。
今回は、戦場に残され、戦後を生きてきた元「慰安婦」女性たちを訪ねてきた、写真家アン・セホンさんからお話を聞きます。


【報告】





写真家の安世鴻さんは、1996年に仕事で「ナヌムの家」を初めて訪ね、その後 3年間、ボランティアとして通い続け、ハルモニたちとたくさんの話をし、一緒に できることを一つ一つやろうと決意したそうです.。2001年に初めて中国へ行き、 解放後も朝鮮半島に帰れなかったサバイバーたちと出会い、多くの人に「慰安婦」 問題への関心を持ってもらいたいと、写真展を始められました。  










2013年以降訪れるようになったフィリピンでは、ロラたちが歌や踊りを通して 感情を解きほぐし、日本大使館への抗議デモに、家族や遺族たちがロラの写真を 掲げて参加しているのに感動。インドネシアでは、自宅すぐ近くの「慰安所」に 連行され、過去から逃れるために故郷を捨てた例が多いこと、東ティモールでは、 日本軍は補給を断たれてコンドーム支給もなかったため、妊娠の可能性がない幼 い少女が標的にされたことなど、一人ひとりのサバイバーの人生を紹介しながら、 それぞれの地域性も話されました。朝鮮民主主義人民共和国にも訪問したが、サバイバーには面会できていないそうです。   






フィリピンの家族がデモに参加している写真


東ティモールの被害者


中国のウェイ・シャオランさんと日本兵との間に生まれた息子さん



北朝鮮の状況


女性たちの家を修理している写真
おばあさんたちの家を修理する活動もしており
そういう活動も含めてカンパをしています




女性たちと会う時は、まず話を聴くことに集中し、思いを伝えてもらえるよう になってから写真を撮ると語られた世鴻さん。持参してくださった写真10枚とそ れぞれの説明文を会場内に展示し、参加の皆さんに、心の奥深くまで伝わるよう な女性たちの表情を見てもらうことができました。最後に、約80人の参加者から 世鴻さんの今後の活動に対して寄せられたカンパを渡して、集会を終えました。


《 ミニ写真展の様子 》

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